カーオーディオアンプの選び方を教えてください。
あわせて、おすすめのカーオーディオアンプも教えて欲しいです。
このような疑問に答えます。
カーオーディオ機器の中でも特にアンプの交換は音質を劇的にアップさせられます。あなたのカーライフがより充実すること間違い無しです。
しかし、いざアンプを購入しようと考えると、さまざまなメーカーのものがあったり、性能表をもてもよくわからない場合が多く、なかなか選びきれない人も多いのではないでしょうか。実際にお店で視聴してみて決める方法がベストですが、近くにそういった環境がなければ視聴できません。
この記事では、カーオーディオDIY歴10年の私が、アンプを選ぶ際のポイントや、人気で実績のあるおすすめアンプについて紹介していきます。
アンプについて
他にもカーオーディオアンプ、パワーアンプ、外部アンプなどと呼ばれますが、初めにこのアンプについて少し紹介していきます。
アンプとはスピーカーを駆動させるためのオーディオ機器
アンプは、簡単に言うと「スピーカーを駆動させるためのオーディオ機器」のことです。アンプという機器がないと音楽を鳴らすことができないため、オーディオの構成機器の中では必ず必要になってきます。
アンプとは?(少し専門的に)
少し専門的な説明をすると、アンプとはメディアプレイヤーで読み取った微弱な音楽データの信号を増幅(=アンプリファー)させてスピーカーを駆動させられるほどの大きな信号にするオーディオ機器です。
アンプは、各社メーカーで音色・仕様が大きく異なるのが特徴です。なぜなら、各社でさまざまな試行錯誤をしながら理想の音楽を目指して開発しているからです。
信号を増幅するというと簡単そうに思えますが、増幅時にいかに原音の劣化をなくすか、ノイズを少なくできるかなど、各社メーカーの技術・経験・ノウハウの多くが詰まった機器が多いのです。
そのため、可能なら自分にあったアンプを聴き比べて購入するのが1番良いと思いますが、なかなか試聴できる環境がない場合が多いと思います。なので、このような場合は、各アンプの仕様や特徴を理解してあなたに合ったアンプを選ぶことをおすすめします。
内臓アンプと外部アンプの違い
メディアプレイヤー(いわゆるデッキやヘッドユニット)の中に内臓されているアンプを内臓アンプと言い、メディアプレイヤーとは別に取り付けするアンプ単体を外部アンプと言ったりします。
内臓アンプはメディアプレイヤーの中という限られたスペースに組み込まれるアンプです。そのため、内臓アンプでは音質はあまり重視されず、音楽再生の機能が一応備わっているという感じです。
一方で、外部アンプはほとんど制約なく設置・導入できます。そのため、各社から販売されている外部アンプは、音質を極限まで高めたものが数多くあるのです。
外部アンプの取付メリットとは?
では、外部アンプの取付メリットはどのようなものがあるのでしょうか?外部アンプの取付メリットは圧倒的な音質向上ですが、具体的には下記の3つが挙げられます。
✔️ スピーカーの性能を最大限引き出せる
✔️ クリアで透明感のある音になる
✔️ 大音量でも音が歪まない
スピーカーの性能を最大限引き出せる
アンプ取付メリットの1つ目は、スピーカーの性能を最大限引き出せることです。
理由は、外部アンプにすることで出力が向上するため、スピーカーを力強く駆動させることができるからです。
例えば、内臓アンプの定格出力(連続的に発生させられる出力)は10W程度です。一方で外部アンプの場合は25W〜数100Wと圧倒的に高出力となっています。
仮にあなたが高級なスピーカーを買っても、内臓アンプで鳴らしている場合はスピーカー性能の50%も出せていないかもしれません。スピーカーと同時に外部アンプを導入することで圧倒的な高音質を狙えると言えます。
クリアで透明感のある音になる
アンプ取付メリットの2つ目は、クリアで透明感のある音になることです。
なぜなら、外部アンプならノイズ発生源を可能な限り排除して音楽信号を増幅する設計になっているからです。
例えば、内臓アンプの場合は限られたスペースにさまざまな配線や回路が組み込まれています。特に電源供給部品はノイズ発生源になりやすく、外部アンプでは様々な対策が取られています。
そのため、外部アンプならクリアな音楽を体感できるのです。
大音量でも音が歪まない
アンプ取付メリットの3つ目は、大音量でも音が歪まないことです。
なぜなら、外部アンプではゲイン調整機能で音が歪まない音量ボリューム範囲を設定できるからです。
ゲイン(GAIN)とは?
アンプで音楽信号を増幅する際の増幅率のことです。ゲインを大きくすると大きく増幅され、ゲインを小さくすると小さく増幅されます。
例えば、内臓アンプではゲインの調整機能がありません。(音が歪まないように設計時に小さめに最適化されているかもしれませんが。)一方で、外部アンプでは音源信号の入力に応じてゲイン調整が可能で、常に最高音質のポイントを設定できるのです。
このように、オーディオシステム環境に応じて音の歪まない設定ができるのは外部アンプのメリットと言えます。
アンプ選びのポイント
アンプ選びではなるべく視聴して選んだ方がいいです。しかし、なかなか視聴する環境がなかったり、アンプとスピーカー・ヘッドユニットとの組み合わせてで音の鳴り方が全然違ってくる場合も多いです。
そういった場合には、アンプのスペックを理解して、なるべくコスパのいいアンプを選ぶことをおすすめします。
これから紹介するアンプ選びのポイントを理解して、あなたにあったアンプを見つけましょう。
✔️ クラスの違い:音色を左右する
✔️ 出力:なるべく大きいものを選ぶ
✔️ チャンネル数:システム環境に応じて決める
✔️ 高調波歪み率:音質を左右する
✔️ S/N比:ノイズの入りやすさを左右する
✔️ 周波数特性:臨場感を左右する
クラスの違い
アンプには主に4種類のクラス(級)に分類されます。クラスの違いは簡単に言うとアンプ内部の増幅方式の違いとなっていて、それぞれ音の鳴り方に特徴を持っています。
A級アンプ:高音質重視
B級アンプ:大音量重視
AB級アンプ:バランス重視
D級アンプ:音質・コスパ重視(人気!)
A級アンプ
A級アンプはクリアで透明感のある高音質が特徴です。高級アンプに多く採用されているという実績もあり、音質重視の方におすすめです。
一方で、消費電力が大きかったり、大音量再生には向かなかったり、アンプ自体の価格がかなり高額となったりと、デメリットもあります。
B級アンプ
B級アンプはA級アンプと反対の性質を持ったアンプで、高出力を発生できるのが特徴です。大音量で音を出したい方におすすめのアンプとなっています。
一方で、歪みが出やすいデメリットがあり、現在ではほとんど販売されてません。
AB級アンプ
AB級アンプはA級アンプとB級アンプのいいとこ取りをして、各クラスのデメリットを小さくしているのが特徴です。現在の主流アンプの1つとなっており人気が高いです。
D級アンプ
D級アンプは、A級B級AB級がアナログ増幅するのに対して、デジタル増幅するのが特徴です。そのため、非常にクリアな音を高出力で効率よく再現するのに優れています。
内部構造もシンプルなため他のクラスのアンプに比べて躯体サイズが小さく価格も比較的安価です。さらに低出力でも大音量が出せる効率の良さが魅力で、現在最も人気・コスパの高いアンプとなっています。
チャンネル数
チャンネル数はアンプ選びで最も重要な要素です。なぜなら、あなたの求めるオーディオシステムを構築する際に必ず確認しなければならないからです。
基本的にチャンネルの数だけスピーカーを鳴らすことが可能です。
例えば、2wayマルチシステム(ツイーター+ウーファー)を作りたい場合、4ch(チャンネル)必要です。この場合、2ch出力のアンプを2台買うか、4ch出力のアンプを1台買うか、というように考えます。
出力
出力もアンプ選びでは重要です。なぜなら、出力に余裕があるアンプの方がクリアで高音質を実現できるからです。
例えば車を例にすると、300馬力のエンジンを積んだ車(スポーツカーなど)は高速道路でキビキビ走れます。しかし、60馬力(軽自動車)だと走るので精一杯という感じです。アンプも同様で、高出力で余裕があるほうが高音質でパフォーマンスが高い傾向があります。
では実際どのくらいの出力が必要なのでしょうか?クラス別に紹介すると下記のような感じです。
A級アンプの場合→定格出力50W以上
D級アンプの場合→定格出力75W以上
感覚的なものですが、私の経験上、上記くらいのアンプを導入すると圧倒的な高音質を体感できました。内臓アンプの定格出力が20W程度なので、その差は歴然です。
定格出力とは?
連続して発生させらられる出力のことで、よくアンプの出力性能として使われます。一方「最大出力」というのもよく見ますが、最大出力=一時的に発生させられる出力、のことです。そのため、最大出力値は目安として見ておき、アンプ選びの際は定格出力値を参考にしましょう。
歪み率(高調波歪み率)
歪み率とは、ある一定の周波数をアンプに入力された際、出力された音の周波数を測定しどの程度違いがあったかを示す指標です。
この値が低いほど、原音に忠実に音を再生できているアンプということになります。
アンプの仕様書には「高調波歪率:0.004%(10W,1kHz)」という感じで記載されています。これは、1kHzの音をこのアンプで10Wの出力で再生させた場合、原音から0.004%歪みますよ、という意味になります。
では実際にどのくらいの歪み率が良いのか?というところですが、目安を紹介しておきます。
0.01%(10W,1kHz)以下
※10W以下の出力の時に歪率が0.01%以下ということ
このくらいの歪み率ならかなり優秀なアンプと言えますので、圧倒的に高音質を狙えるでしょう。
S/N比
S/N比とは、S(信号)とN(ノイズ)の比のことを言います。入力する信号に対して、どのくらいのノイズが乗るかの指標という意味です。
優秀なアンプは、小音量では静まり返るような静寂、音量をあげれば雑味のないクリアな音が体感できます。
アンプの仕様書には「SN比:105dB」というように記載されています。dB=デシベルという単位です。この値が大きいほど優秀なアンプと言えるのに対して、この値が低いとよくノイズが入るアンプということが言えます。
実際にアンプ選びをする際は下記を目安にしましょう。
100dB以上
※音に非常にこだわりのある方は105〜108dBがおすすめ
このくらいのSN比ですと、走行中や車のエンジンが回っている環境ではほとんど気にならないレベルのノイズになります。
ただし、音に敏感な人や、非常にこだわりのある人でしたら、105〜108dB以上をおすすめします。このレベルになってくると、エンジンを消して停止状態の車内でもほぼノイズなしです。
私の場合は、105bBのアンプを使用していて、車を乗り換えてからは100dBのアンプにしたのですが、結構ノイズが気になります。なので、予算に余裕がある人は迷わず105dB以上をおすすめしたいところです。
周波数特性
周波数特性とは、アンプから出力できる音域のことです。
仕様書を確認すると「周波数特性:10Hz〜50,000Hz」というふうに書かれています。この周波数特性の範囲が広いほど優秀なアンプということになります。
周波数とは?
音の高さを表現する値です。低い周波数になると低い音が再生でき、高い周波数になると高い音が再生できるということになります。
アンプ選びの際は下記を目安にしましょう。
最低限50Hz〜20,000Hz
※理想的には20Hz〜50,000Hz以上
人間が聴こえる周波数域は20〜20,000Hzと言われています。これより高い音は超音波と言って、人間の耳では感知できません。
また、20〜50Hz程度の低音域になると、音というかほぼほぼ振動のようなものなので、体感はできますが車内で聴く分にはそこまで必須ではないかもです。(そもそも、スピーカー自体が20〜50Hz帯の周波数の再生に対応していない場合もあります。)
とはいえ、実際のライブ会場だったりオーケストラだったり、生の音では人間が聞こえない音も実は飛び交っています。なので、生の音は臨場感が増すのです。
オーディオマニアの間では、人間の周波数帯以上の音を収録した音源(ハイレゾ音源)が良く好まれていますが、そういった理由があります。
そいった意味では、50Hz以下の低音域や20,000Hz以上の高音域に対応したアンプを選ぶことの意味は大きいです。
あなたにおすすめのアンプは?
カーオーディオ用のアンプは国内外で数多くのオーディオメーカーから様々な商品が売られているので、特に初心者は選ぶのに苦労します。例えば、アンプを作っている有名カーオーディオメーカーを下記にまとめています。
carrozzeria(日本製)
Alpine(日本製)
KENWOOD (日本製)
audison(イタリア製)
HELIX(ドイツ製)
KICKER(アメリカ製)
基本的には上で紹介したアンプ選びのポイントを比較しながら、あなたの目的・予算にあったアンプを選ぶといいでしょう。
今回は厳選したおすすめのアンプをいくつか紹介していきます。
初心者から中級者におすすめのコスパ最強アンプ
初心者から中級者におすすめのコスパ最強アンプはズバリ下記になります。
価格帯もサイズ感も仕様もほとんど同じアンプですが、少しずつ優劣が合ったりするので、あなたの好みの方を選ぶと良いでしょう。
仕様は下記のようにまとめています。
メーカー | 型式 | 参考価格 | クラス | 出力×チャンネル数 | 高調波歪率 | S/N比 | 周波数特性 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Alpine | KTP-600 | 19,580円 | D級 | 定格45W×4ch(最大90W) | ※記載なし | 92dB | 10Hz〜45,000Hz | 製品サイズ:W180×H41×D80 ゲイン調整:有り |
Pioneer carrozzeria | GM-D1400Ⅱ | 17,600円 | D級 | 定格45W×4ch(最大100W) | 0.05%(4W、1kHz) | 90dB | 10Hz〜40,000Hz | 製品サイズ:W181×H38×D64 ゲイン調整:無し |
Alpine製 KTP-600
1万円台のアンプの中では最もコスパが高く、これ1台で2wayマルチシステムの構築が可能です。小さな躯体からは想像できないほどの艶のある奥深い音を奏でてくれます。ゲイン調整機能もありノイズ対策も可能です。
Pioneer carrozzeria製 GM-D1400Ⅱ
こちらも1万円台で買えるアンプで、販売台数No.1の実績があります。音質はKTP-600に同等で、力強さと元気な印象を受けます。ライバルのKTP-600に対して躯体サイズが小さいのが魅力ですが、ゲイン調整機能がないというデメリットもあります。
>>>Pioneer carrozzeria製 GM-D1400Ⅱ
一度は使ってみたいロングセラーの名作アンプ
一度は使ってみたいロングセラーの名作アンプはズバリ下記です。
上記3機種はどれもハイエンドアンプに属するので、どれを選んでも間違いなく感動的な音楽を体感できるでしょう。ただし、音質にとことんこだわるならA級アンプ(PRS-A400またはRS-A99X)を、コストとのバランスを取るならD級アンプ(PRS-D800)というような選び方がおすすめです。
仕様は下記のようにまとめています。
メーカー | 型式 | 参考価格 | クラス | 出力×チャンネル数 | 高調波歪率 | S/N比 | 周波数特性 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Pioneer carrozzeria | PRS-D800 | 38,500円 | D級 | 定格125W×2ch(最大250W) | 0.004%(10W、1kHz) | 105dB | 10Hz〜50,000Hz | 製品サイズ:W255×H50×D104 |
Pioneer carrozzeria | PRS-A400 | 132,000円 | A級 | 定格50W×4ch(最大100W) | 0.003%(10W、1kHz) | 108dB | 10Hz〜100,000Hz | 製品サイズ:W371×H65×D282 |
Pioneer carrozzeria | RS-A99X | 220,000円 | A級 | 定格50W×4ch(最大100W) | 0.002%(1W、1kHz) | 108dB | 10Hz〜100,000Hz | 製品サイズ:W258×H63×D360 |
Pioneer carrozzeria製 PRS-D800
実は私も愛用していたアンプで、D級ハイエンドアンプの中では最もコスパがいいと思います。D級ならではの良さを活かしたキレの良さ・力強さが特徴で、スピード感・ハイテンションな曲(ロック・ポップス・ジャズ)が得意なように思います。良くも悪くも、原音を忠実にフラットに再現する能力がずば抜けているため、オーディオに詳しい人からは「艶が弱く、乾いた音」という評価も受けています。とはいえ、コスパ重視でハイエンドアンプを買うならこれ一択で、ぜひおすすめしたいアンプです。
>>>Pioneer carrozzeria製 PRS-D800
Pioneer carrozzeria製 PRS-A400
PRS-D800と迷われる方が多いPRS-A400ですが、音質について言うとほとんど大差ないと思われます。ただし、PRS-A400はA級ならではの艶やか・しっとりした表現が得意であるためバラード・クラシックなどの楽曲が得意なように思えます。デメリットとしては、PRS-D800を2台で77,000円と比べると価格差59,000円とまあまあ高額であるのと、躯体サイズがかなりデカく置き場所を考えないといけないというのがあります。
>>>Pioneer carrozzeria製 PRS-A400
Pioneer carrozzeria製 RS-A99X
RS-A99XはPRS-A400と同様にA級アンプになります。10年前に発売したにも関わらず、カーオーディオ愛好家や多くのカーオーディオショップで採用されてきている実績があります。PRS-A400と価格差88,000円とかなり高額になってきますが、PRS-A400から乗り換える人が続出しているそうです。特徴としては、より音の粒が細かく解像度が増す感じと、ノイズが徹底排除されてクリアで透明、無音時の静粛性の高さが魅力となっています。
>>>Pioneer carrozzeria製 RS-A99X
まとめ
いかがだったでしょうか。
アンプ選びはスピーカーと違い視聴して確認することが難しいです。なぜなら、スピーカーとアンプの組み合わせによって、音の出方が異なるからです。しかし、ここで紹介したようなアンプ選びのポイントに着目してアンプ選びをしてもらえれば、あなたの満足できるアンプが見つかると思います。
✔️ クラスの違い:音色を左右する
✔️ 出力:なるべく大きいものを選ぶ
✔️ チャンネル数:システム環境に応じて決める
✔️ 高調波歪み率:音質を左右する
✔️ S/N比:ノイズの入りやすさを左右する
✔️ 周波数特性:臨場感を左右する
実は私自身もアンプ選びに数ヶ月かかりました笑。アンプをつけてから音楽を聴くのも楽しいですが、アンプをあれこれ悩みながら探すのも楽しいですよね。あなたにあったアンプが見つかる一助になれれば幸いです。
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